4月2日、大和郡山市の郡山城跡公園に山高神代桜を見に行ったときに、その説明板の上で小さな甲虫が何匹か動き回っていました。3匹採集して4月12日に調べてみました。

こんな小さな甲虫です。


体長わずか2.2 mmの甲虫です。こんな小さな甲虫は科もなかなか分からないので、とりあえずGoogleレンズで調べてみました。いくつか候補が出たのですが、たぶん、ケシキスイ科であっているだろうと思って、保育社の「原色日本甲虫図鑑Ⅲ」に載っているケシキスイ科の検索表でまず属の検索をしてみました。
1.小あごは外葉を欠く;触角の球桿は急に強く拡大する;♂の交尾器は左右対称
2.腹部は上翅に完全におおわれるか、尾節いたが露出する;ときにかすかに前尾節いたも見える
3.中、後脛節の外縁に鮮明な1本の稜線がある;幼虫の尾突起は退化する;花にくる チビケシキスイ亜科
4.触角は短く、球桿は緊密で幅広、可視第5節に弧状凹陥がある Meligethes
その結果、チビケシキスイ亜科のMeligethes属になりました。これを写真で確かめていきたいと思います。

「小あごは外葉を欠く;触角の球桿は急に強く拡大する;♂の交尾器は左右対称」についてです。最初の「小あごの外葉」と最後の「♂の交尾器」はよく分からなかったので、触角の球稈の写真をだけを載せます。球桿については間違いなさそうです。

「腹部は上翅に完全におおわれるか、尾節板が露出する;ときにかすかに前尾節板も見える」という部分です。尾節板が露出しています。


「中、後脛節の外縁に鮮明な1本の稜線がある;幼虫の尾突起は退化する;花にくる」についてです。おそらく細かい棘が生えている部分が稜線だと思われます。これでチビケシキスイ亜科になりました。



「触角は短く、球桿は緊密で幅広、可視第5節に弧状凹陥がある」のところです。弧状凹陥がはっきり見えます。これでMeligethes属になりました。
次は種の検索です。
1.爪の屈曲度は弱く、基部は鋭角状に尖らない Meligethes亜属
2.前脛節外縁は端部1/3ないし1/2に顕著な突起がある
3.前脛節外縁の突起は前から2、3番目くらいのものが最大で、基部よりへ順次小さくなる
4.上翅の点刻は前胸背板と同大かより大きく、横じわを欠く、背面は光沢が強い
5.体は黒色で、前胸や上翅の側縁部も赤味を帯びない、可視第5腹板は単純
6.上翅の各点刻はその直径の約1/2隔離する。普通種。1.8-2.3 mm。北海道、本州、四国、九州 オドリコソウチビケシキスイ
ということで、検索してみると、オドリコソウチビケシキスイになりました。これも写真で確かめていこうと思います。

「爪の屈曲度は弱く、基部は鋭角状に尖らない」というところですが、爪は単純です。ということで、Meligethes亜属になりました。


「前脛節外縁は端部1/3ないし1/2に顕著な突起がある」と「前脛節外縁の突起は前から2、3番目くらいのものが最大で、基部よりへ順次小さくなる」という項目についてです。写真は前脛節ですが、その外縁に写真のような突起があります。この突起の形状が種の同定には大変重要になってきます。見たところ、端部で顕著で、基部では小さくなっているので、検索の項目とあっている感じがします。

次は「体は黒色で、前胸や上翅の側縁部も赤味を帯びない」、「上翅の点刻は前胸背板と同大かより大きく、横じわを欠く、背面は光沢が強い」という項目についてです。体は黒く、側縁部も赤味を帯びているようには見えません。また、点刻も前胸背板と上翅では変化がなさそうです。

「可視第5腹板は単純(末端に光沢のある点状隆起がない)」には先ほどの弧状凹陥を除いて特に変わったものは見られません。

「上翅の各点刻はその直径の約1/2隔離する」についてです。これは上翅の拡大写真ですが、点刻と点刻の間隔は点刻の直径と同じくらいかやや小さい感じです。ということでこれもよいことにしました。

最後は、体長についてで、1.8~2.3 mmの範囲に入っています。ということで、おそらくオドリコソウチビケシキスイでよいのではと思っています。
なお、保育社の「原色日本甲虫図鑑Ⅲ」ではオドリコソウチビケシキスイはMeligethes morosusになっていますが、日本列島の甲虫全種目録 (2026年)によると、Lamiogethes morosus (Erichson, 1845) になっていました。属名が変わったようです。