今年はイネ科植物を調べようと思っています。それで、まずは身近でどこにでも生えているカラスムギを調べてみました。カラスムギは一目見るとそれとすぐわかるので、あえて調べる必要もないのですが、一応、イネ科植物を網羅したいと思ったので、5月8日に採取してきました。


お馴染みのカラスムギです。近くの空き地に山のように生えていました。長田武正著、「日本イネ科植物図譜」によると、ヨーロッパ、西アジア、北アフリカ原産といわれ、日本には有史以前に帰化したものと思われるそうです。

小穂を一つとってきて、接写用のカメラで写しました。小穂の長さは27.9 mm、芒まで入れると56 mmになります。「図譜」によると、小穂は1.8-2.5 mm。それよりは少し長いですね。

包頴を外してみました。それぞれの寸法も測っておきました。

芒が途中でねじれているので、その部分を実体顕微鏡で拡大して撮りました。

これは葉舌を写したものです。「図譜」によると、葉舌の高さは4 mmにもなると書かれています。写真ではちょっと曲がってしまったので、寸法が測れなかったのですが、3 mm程度のように思われます。

第1包頴と第2包頴を並べて撮ってみました。以前にも書いたのですが、そのままだと丸まってうまく撮れないので、両面接着テープの上に貼り付けて、針で丸った部分をテープに押し付けて平面的にしてから、実体顕微鏡の透過光で撮影しました。第1包頴も第2包頴も共に11脈あります。

「図譜」には、脈と脈の間は横の小脈で結ばれると書かれているので、探してみました。拡大するとやっと見ることができました。小脈はそれほど多くはなく、ところどころにありました。

第1護頴の蓋のようになっている内頴を外してみました。中には葯が3つ入っています。

その部分を取り出して写してみました。柱頭が2本見えます。その基部には長毛が生えていますが、その内側に子房があるようです。

第1護頴を背側から撮ったものです。基部から長毛が生えています。下の写真はその長毛を除いたものですが、芒が第1護頴の中間あたりから生えていることが分かります。

背側に生えている芒をはさみで根元から切り取り、第1護頴を両面接写テープの上に広げたものです。芒につながる脈のようなものが見えています。それを除くと脈は全部で6脈でした。「図譜」によると、護頴の先端が小さな2歯になっているとのことですが、たしかに二つに割れています。

最後は内頴です。両側の縁にやや太い脈があります。「図譜」によると、太い脈を竜骨と呼んでいて、その背の上半分に短毛があるとのことですが、背側を接着させたので、見ることができません。腹側を接着させるやり方も工夫しないといけませんね。